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 令和2年07月22日掲載

〔 Vol.15 :「航空自衛隊百里基地発足前、1966年6月12日公開日」〕

最近百里基地は、唯一残ったF-4ファントムの部隊の撮影等で行く機会も増えていましたが、コロナによる巣ごもりの機会が増え、昔の撮影ネガの整理等をしていて新しい発見に遭遇することもあり、その一例として紹介します。

以前のトピックスVol.05「50年前の百里基地」として、1969年当時の第7航空団、206飛行隊、207飛行隊のF-104J等を紹介しましたが、今回紹介するのは1966年6月12日(日曜日)、百里基地で行われた初めての基地公開の様子の一部を紹介するものです。

百里基地として正式に発足するのは翌1966年7月であり、第7航空団として入間基地から移住し防空任務を開始したのは翌年1967年から、この3月消滅した偵察航空隊(501空)の移住は1974年と、この後のことです。

1966頃当時は、私自身東京での学生生活を卒業4月に就職したばかりで、それまでは横田、厚木へ通うことが殆どで、自衛隊基地では休日の訓練等は全く無く、撮影の機会は限られていますが、このイベントがある情報を知ったのはたまたまでした。

電車を乗り継ぎ小川駅まで、その後バス等で何とか基地へ入れましたが、地元の人が大部分で、外来機の入間からのT-6、RF-86、厚木からP-2V、S2F等が撮影できました。

展示機、フライト等は期待していた当時の基地公開(入間、厚木、横田の三軍記念日等)程ではなく、飛行展示は浜松からのF-86F ブルーインパルスだけでした。

百里基地としての正式発足前の時点で、当時のF-104等、部隊使用機による飛行展示のための事前訓練等は不可能であり、基地発足を直前に控えた地元民への公開、近くの関連基地、入間、厚木、浜松等の機体によるイベントだったと思います。

結果的には、早めに基地内を出て、基地外周の滑走路反対側(西側)に移り、撮影場所を確認、午後に実施したブルーインパルの展示飛行、及び、展示機のお帰り時の離陸が撮影できました。また、滑走路西側の基地外周は一部民家が残っていて、非常に滑走路に近い場所等もあり、撮影し易い場所であることが分り、後に参考になりました。

次に、当日の朝の到着機及び午後のブルーインパル等の離陸の様子を紹介します。

 
❖ ノースアメリカン T-6G  72-0164 入間基地救難飛行隊所属

当日の公開は地方新聞等には公表していたとのことで、観客は、地元民がほとんどでした。

 
❖ ノースアメリカン T-6G  72-0165 入間基地救難飛行隊所属

当時、航空自衛隊のT-6は殆どがリタイアしていて、この救難隊所属機だけが最後に残っていました。なお、当日の機体展示として、エプロン南端に、この救難隊所属のT-6G及びT-34、又、翌年から正式採用となる予定の後継機MU-2が並べて展示されていました。

 
❖ シコルスキーH-19C  11-4717

航空自衛隊のH-19C 救難ヘリコプターは、百里飛行場運用開始時(1965年)に配備されたと聞いていますが、H-19Cは公式には1966年3月23日に退役となっています。搭乗しているパイロットが見えており、退役直後ですが、当日、フライトしたかは確認できませんでした。

 
❖ ノースアメリカン RF-86F  62-6425 入間基地501空所属

入間基地所属の501偵察航空隊所属で、当日到着、帰還しています。

 
❖ ロッキードP2V-7  4620 ネプチューン

厚木基地51航空隊所属機の到着時の様子です、当日に帰還しています。

 
❖ グラマン S2F-1 4118 トラッカー

厚木基地所属 第14航空隊の対潜哨戒機です。

 
❖ F-86Fブルーインパルス(#960.#931.#772.#932)947  512

この編隊離陸は滑走路からは少し離れていますが近くの小高い山(その後の違憲山)から撮影しました。現在とは異なる、当時の撮影ポイントが確認できます。

 ブルーインパルスは、64年11月3日入間基地公開が最初でしたが、特徴としては密集編隊と大量の白煙(カラーは特別時)で、隊長機(#960)を除き、尾翼が大量に汚れているのが分ります。
 
❖ F-86Fブルーインパルス(#960.#931.#772.#932)947  512

同じ離陸時ですが、後方のエプロン展示地区の様子がわかります。エプロン南端にMU-2,T-34、T-6が展示されています。

 
❖ F-86Fブルーインパルス(#947)

4機の編隊離陸直後に離陸するソロ機、#947の離陸です。現在と違い、先行機の煙を避けるため、白煙の上まで上昇します。 なお、ソロ機は2機で、最後は#512が離陸しましたが、最終機であるため、スモーク・オンでした。

 
❖ F-86Fブルーインパルス(#960.#931.#772.#932、#947)

ブルーインパルスの演技の最後、現在とは違いますが、着陸前の編隊ブレークです。

 
❖ T-6G 72-0164

公開終了後に帰還、離陸する救難隊のT-6Gです。なお、救難飛行隊のT-6は、主翼の両端に救難用の方向探知機アンテナが装備されているのが特徴でした。

 
❖ RF-86F  86-425

最後は、入間に帰還するRF-86F #425です。なお、百里基地に501空偵察航空隊が移住するのは、RF-4E-に変更された時点であり、RF-86Fを見る機会は少なかったと思います。

 

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