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 平成30年10月02日掲載

〔 Vol.06 : WB-47E 〕

 

ボーイングB-47 ストラトジェット シリーズ続けます。
 今回は、B-47で、1960年代WB-50Dに代わり横田基地にも配備されていたWB-47Eを主に紹介します。
 WB-47E型は、それまでのレシプロ機WB-50Dによる通常気象観測ミッション18.000ft(500mbデータ)を40.000ft( 200mbデータ) 以上で、半分の時間で可能となることで、既存のB-47E型に新しく自動化された気象観測システム(AN/AMQ-19 Meteorological System )等を装備、クルーのみ(Co-Pi / Weather Observer及びNavigator)で運用可能とした機体でした。 
1963年に最初の15機が55th WRS (Weather Reconnaissance Squadron)に配備、その後53rd WRS ( Hurricane Hunters )、54th WRS ( Typhoon Chaser グァム) 56thWRS(横田基地 )等に配備され、34機がB-47E型から改造され、1969年まで使用されました。 但し、ほぼ同時期に高高度での観測(Sampling )を主としたRB-57F、その他WC-130B(WC-130E)、WC-135B(その後WC-135W)等も補助的に、同時期に運用され、当時は冷戦の最中であり、SACのB-52の運用、及びJTF 8(Joint Task Force )と呼ばれるロシアの大気中核実験の対応支援等、多くのミッションがありました。

  WB-47Eの主な改造箇所は、胴体テール部の銃座を取り外し、観測用ラジオゾンデシステム(9回分のドロップゾンデ 及び受信システム )、胴体爆弾倉ドア部に大気観測用スクープ(U-1 FOIL SYSTEM)及び解析装置、Co-pi及びNavigatorの操作位置にそれぞれのコントロールパネル等が追加されています。
 
❖ ボーイング WB-47E 51-2413 ストラトジェット {1964年 横田基地}

横田基地 R/W36側より離着陸訓練中のもので、アプローチ時に使用するドローグシュートを使用しないでの訓練(GA、low-pass等も含め)も多く行われていました。
56th WRSのWB-47E型、胴体中央下部の黒いスクープ(U-1Foil )が特徴です。

 
❖ ボーイング WB-47E  51-2363 ストラトジェット {1964.5.17 横田基地}

1964年5月横田基地 三軍記念日で展示された、56th WRSのWB-47Eです。

 
❖ ボーイング WB-47E  51-2353 ストラトジェット {1965年 横田基地 }

横田R/W36から着陸するミッション帰還時のWB-47Eです。 通常の着陸ではこのようにアプローチでのDrogue Parachuteが使用されました。 なおタッチダウン直後に、この2倍の大きさ(直径32フィート)のドラッグシュート(brake chute)が使用されますが、B-47型の自転車式の前後の主車輪配置特有のバウンドやポーポイズを防止する目的でも効果があり使用されました。

 
❖ ボーイング WB-47E  51-2387 ストラトジェット {1965年 横田基地}

1965年5月の横田基地三軍記念日で着陸してきた WB-47Eです。アプローチで使用されたドローグシュート及び接地後に開かれたドラッグシュートが良く分ります。 なお、アプローチシュートは、テール部左側面のドアが開き放出されますが、大きなドラッグシュートは、テール部下面のドアからで、全く別であることが確認できます。

 
❖ ボーイング B-47E 53-1918 ストラトジェット {1965年頃 横田基地}

通常の爆撃型のB-47E後期型で、胴体後部にレドームが追加されています。
なお、この後1966年頃にも横田に来ていますが、機首のSAC帯マークに所属の3rd AD (グアム) の大きな部隊マークが追加されていました。

 

❖ ボーイング B-47E  53-1936 ストラトジェット {1965年頃 横田基地}

爆撃型 B-47Eの 横田からの離陸です。

 
❖ ボーイング WB-47E ストラトジェット  {1965年頃 横田基地}

最後は、通常のWB-47E型の離陸で、横田基地北側エンドR/W36からの離陸シーンです。B-47の離陸時は、J-47エンジンの燃焼室に水噴射を行うため、このような黒煙が見られました。この後の KC-135AのJ-57エンジンでも同様ですが、当時の戦闘機(F-100. F-101、F-102、F-105等)は、すべてアフターバーナー使用のため、離陸時のみ煙がでない(完全燃焼)ことからも、非常に印象に残っています。

 

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